「ガンの父を旅行に連れて行きたいのですが…」
要介護のご両親と旅行を楽しむヒントを連載中。
目次はこちら。
2人に1人がガンにかかり、3人に1人がガンで亡くなるという時代、
ご両親はもちろんこれを読んで下さっているご自身についても、
ガンへの不安を感じた事があるのではないでしょうか。
「3人に1人が亡くなる」と書きましたが、実はこの数字、年齢については言及していないのです。
例えば、現在40歳の男性が20年後(60歳)までにガンで死亡する確率はわずか2%だそう。
より高齢になるほどかかりやすくなるため、一生涯で見るとこういった数字になってしまうとか。
とは言え、身近になってしまった重大な病気、「ガン」。
ガンになってしまったら旅行はあきらめた方がいいのでしょうか。
告知されたばかりの頃は…
ガンとの関わりは病院の診察室から、という方も多いでしょう。
告知されれば相当のショックを受け、いろいろな不安に教われるのは当然です。
自分の体がどうなってしまうのか、治療はどうするのか、症状は出るのか、治療費は…、
などなど今まで普通に生活していたのが嘘のように、世界が変わってしまいます。
そんな方に対して、旅行を勧めるのはやめた方がいいと思います。
精神状態も不安定な時に、旅行を楽しめることは出来ないでしょう。
と、言いたい所ですが、必ずしも全て当てはまるとは限りません。
実はこんな状況だからこそ、旅行した方がいい場合もあるんです。
それは、旅行そのものが気分転換や生きる意欲に繋がるからですね。
今までにない風景を見たり、おいしい食べ物を楽しんだりする事で、
病気ばかり考えていた自分と離れられます。
一時的ではありますが、自分の体への不安を忘れることが出来るんですね。
ご家族や気心の知れた仲間と話したり笑ったりする時間が、生きる意欲を蘇らせてくれるのです。
特に手術前に1泊程度の小旅行はお勧めですね。
「手術を終え、体力が回復したらまた旅行に行きたい!」と、
前向きに変われるのかもしれないからです。
その方の性格や病気への向き合い方、また症状の有無など、
提案するタイミングを十分に考える必要がありますが、
もし受け入れられるのであればとてもよい経験に繋がると思います。
化学療法などで治療中となると…
化学療法や放射線療法で治療中となると、状況はかなり変わります。
治療している最中は副作用も出やすく、症状も出やすい時期です。
吐き気が強いなど明らかな症状があれば、旅行なんてとても考えられませんが、
あまり症状がないとしても、気軽に旅行とはなりません。
治療自体、体に負担をかけるものが多く、
特に白血球の減少により、感染しやすい状況が続いている場合が多いんですね。
旅行を考えるのであれば、まず主治医に相談しましょう。
その時は日程や場所、楽しみたい事など具体的に伝えた方がいいですね。
「温泉に入りたい」という気持ちもあるかもしれません。
ガン(=悪性腫瘍)は温泉の禁忌症に含まれている事が多いのですが、
現在では旅行や入浴が出来る程度の体力があれば、問題ないと解釈されているようです。
どんな状況にあるにせよ、
まず医師に相談が第一です。
許可が下りれば、
是非スケジュールを立てて下さい。
無理をしない、時間に余裕を持つなど
一般的な注意点は同様です。
そうして得た非日常は、
きっと病気と向き合う力を
蓄えてくれると思います。
少しでも前向きになる事を信じて、
旅行の力を信じてみてはいかがでしょうか。
残念ながら末期がんと診断された場合は
次回にお伝えします。

次項目 D-2 末期がんと言われた母、旅行なんて考えない方がいいのでしょうか
前項目 C-7 始めは反省点だらけかもしれませんが、次に繋がる旅行になれば
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