ロバ日記

「末期がんと言われた母、旅行なんて考えない方がいいのでしょうか」

要介護の親と旅に出たいと思ったら

要介護のご両親と旅行を楽しむヒントを連載中。

目次はこちら

前回の記事を書く際、「ガン 旅行」とネット検索しました。
するとかなりの割合で「末期がん」の記事が出て来ました。
「残された時間」と数字で示された時、旅に出たいと思うのはある意味当然なのかもしれません。

末期がんになったら、旅行は無理でしょうか?

私の個人的な意見では「ご本人の希望なら、是非行ってほしい」となります。
でもそれを決めるのは、やはり当のご本人だと思います。

まず主治医に確認するというのは前回同様ですが、
「旅行は禁止」と告げる医師はあまりいないと思います。
いたとしても、それは何かあったときに自分の責任になるのが怖いから。
「何があっても自己責任とします」と伝える、
場合によっては一筆書くなどの対応により、応じてくれるのではないでしょうか。

より人間らしい時間を過したいという気持ちに共感する医師は、たくさんいると思いますよ。
ただ「無理しない程度」、「急変時はすぐに連絡」と一言添えられるかもしれません。
もちろん症状により、現実的ではない方もいるかもしれませんが、
それでも多くの方の協力でかけがえのない時間を過ごせる方もいるでしょう。

「旅に出たい」という強い気持ちがあれば、それを叶えてあげたいと思うのが家族ですね。

「では計画を!」とすんなりいかない場合も…

本人の強い希望があっても、計画が進まない事があります。
それは、誰かが反対している時。
「旅行中に何かあったらどうするの」と、大きな不安が旅への一歩を踏みとどまらせてしまいます。
奥さんが患者としたら、その御主人が反対するというパターンも良くありますね。
こういった場合、御主人がまだ末期がんであるという現実を受け入れられていないという事も。

でも、それは当然です。
いくら「末期がん」と診断されたからって、
大切な人を失うかもしれないという状況を、早々と受け入れるのは難しいのです。
「残された人生を充実させたい」と頭ではわかっていても、
その旅行が残された時間をさらに短くする可能性があると思ったら、賛成なんて出来ません。
ですから、旅行に反対したとしてもすぐに非難しないで頂きたいと思います。

…難しいですね。
本人の思いはかなえてあげたい、でも1日でもいいから長く一緒に過ごしていたい。
そんな葛藤の中、時間ばかりが過ぎていくのかもしれません。
時間がないのは皆知っているので、お子さんなど周りのご家族が、
やきもきするという場面もあるのではないでしょうか。

恐らくこのせめぎ合いを打ち砕くのは、ご本人の強い想いと周りのサポートでしょう。
無理矢理連れて行った所で、大切な人を失う恐怖は避けられません。
「家族一緒の思い出を作りたい」、
「短期間で体の負担はそれほど強くないようプランを作る」など、
現実的に出来る事を少しずつ伝えていくのがいいのかと思います。
「今、一緒に行けなかったら一生後悔する!」と少し強めに言うのも、
ご家族だったら出来るのかもしれませんね。

ただ、反対される方は闇雲に反対しているのではなく、
同じようにつらい思いをしているという事は、わかってもらえたらと思います。

計画、そして行動

末期がんと診断がついてしまった以上、多くの方は時間がありません。
何からしたらいいのか、わからないまま時間ばかりすぎてしまうでしょう。
今までこちらでご紹介して来たように、目的をはっきりとさせた上で、プランを作りましょう。
また、体の状態や症状について聞きたい事は、医師にどんどん聞きましょう。
聞きたい事は紙に書いておくといいですよ。
また、聞きづらい事は看護師に相談してもいいですね。

  • 旅行中どんなことが起こりやすいのか、そうならないための予防法は?
  • どの程度の移動(運動)なら可能なのか、この旅行プラン(仮)なら耐えられるか?
  • もし体調に変化が見られたときに、どのようにしたらいいのか?
  • 主治医に連絡したい場合、いつなら大丈夫か?
  • ステロイドパルス療法は可能か?

ステロイドパルス療法とは、ステロイド剤を一時的に多量に使用する方法。
末期がんで多くの方が訴える全身倦怠感の改善を期待するもの。
旅行前に開始する事で、よい効果に繋がる事も。

ご家族だけの旅行が不安なら、看護師に同行してもらうという方法もあります。
以前こちらで書いたように親戚などにいればいいのですが、
難しい場合は訪問看護師に依頼するのもよいでしょう。

ただ、医療保険や介護保険は利用出来ませんので、全額自費扱いになります。
残念ながらかなりの高額になる事は否めませんが、安心料と考えることも出来ますね。

既に訪問看護を利用されているのであれば相談する価値はあると思います。
全くわからない方はご自宅近くの訪問看護ステーションに直接連絡するか、
知っているケアマネージャーに問い合わせてみるのもよいでしょう。
保険外でも協力してくれる訪問看護ステーションを紹介してくれると思います。

現実的には日帰りか1泊旅行など短期間での旅行になるでしょう。
時間は短くてもその方、そのご家族にとってはかけがえのない時間になる事は間違いありません。
ただ旅行に行く事で、
残された時間が短くなる事も考えられます。
でもそれは、その旅行が寿命の縮めたのではなく、
その旅行をやり終えたからと考えてはいかがでしょう。

充実した時間を過ごして得た満足。
つらい別れになるとは思いますが、
その方が少しでも満足した時間を過ごす事が
残された方々の後悔を減らし、
よい思い出に繋がるのだと思います。
旅はその役割を十分に果たすことが
出来ると思っています。
時が止まっている様な穏やかなひと時が
過ごせるといいですね。

次項目  F-1 脳梗塞で片麻痺になっても旅行できる方の共通点
前項目  E-6 「ガンの父を旅行に連れて行きたいのですが…」

要介護の親と旅に出たいと思ったら 目次

  • このエントリーをはてなブックマークに追加

関連記事

コメント

  1. この記事へのコメントはありません。

  1. この記事へのトラックバックはありません。

要介護の親と旅に出たいと思ったら

おすすめ記事

以前の記事

2017年12月
« 11月    
 123
45678910
11121314151617
18192021222324
25262728293031
ページ上部へ戻る