ロバ日記

脳梗塞(脳卒中)による片麻痺ほど旅行の練習が効果的な病気はないかと

要介護の親と旅に出たいと思ったら

要介護のご両親と旅行を楽しむヒントを連載中。

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もう、15年程前の話ですね。
「和みの風」を作りたいと考えた時、まず始めたのは脳神経外科病院への勤務でした。
車椅子での旅行→片麻痺(=半身不随)→脳梗塞→脳神経外科
という図式から。
今考えれば「なんと安直な」という感じですが、やっぱりここでの知識は今でも役に立っています。

片麻痺は、障害が目に見えやすく現れるので、ご自身もご家族も大変なショックを受けます。
普通の生活もままならないので、このままの状態が続くのでは、と悲観的に考えがちです。
旅行なんて夢のまた夢、という状況になりやすいですね。

片麻痺でも旅行を楽しむための練習とは?

出来れば避けてほしいのが、施設などからいきなり宿泊旅行をすること。
施設は設備も整っていますし、適切な技術を備えたスタッフもたくさんいます。
その状況から、いきなりご家族の介護で宿泊旅行に行くのは、かなり危険度が高いと思います。
出来なくはない状態の方もいらっしゃるでしょうが、お手伝いされる方が大変な場合も…。

夢のまた夢を現実にするために一番近道で現実的なのが、練習する事だと思います。
練習と言っても、平行棒で歩いたり、筋肉のトレーニングをする事ではありません。
それはそれでとても大切なのですが、もっと具体的な動作の練習が大切です。

使いにくいトイレを知る

とにかく、一番気になるのがトイレですよね。
トイレのために旅行に行く訳ではないのですが、トイレに行かなくては旅行にも行けません。
トイレの心配が減っていけば、旅行に行くハードルもかなり下がって来ます。

利用するトイレと言えば車椅子用トイレや多目的トイレとなりますが、
一口に車椅子用トイレと言っても実はいろいろバリエーションがあります。
バリエーションがありすぎるくらいです。
わかりやすい例で言えば、手すりのついた壁が便器に対して左にあるか右にあるか。
一般の方であれば、それほど気にならないと思いますが、片麻痺の方にとっては大問題です。
通常、自由に動く手の方にL字型の手すりがあると、使いやすい配置であると言われています。
なので最近の病院では、階や場所によってレイアウトが正反対になっているトイレがあります。
右麻痺用と左麻痺用と分かれているんですね。

でも、旅行となるとどのようなレイアウトのトイレなのかまずわかりません。
以前ご紹介したこちらのサイトでは写真で見ることも出来ますが、
数はあまり多くありません。

そこで提案です。
使いにくいトイレを知りましょう。
相談しやすい理学療法士や作業療法士はいませんでしょうか。
病院でもディサービスでもどこでもいいので、是非聞いてみて下さい。
右麻痺の方であれば、壁が左側にある場合どのように便器に移ったらいいのか。
そしてどのようにズボンを上げ下げしたらいいのか。
介助の人が必要であれば、どのように介助したら安全かつ楽に出来るのか。

そうやって、普段使っているトイレとは違うレイアウトのトイレを使う事によって、
いろいろなトイレが使える技術を高められます。
こういうトイレはこう使う、この手すりの場合は手伝ってくれる人がいれば大丈夫、
という風にトイレの見る目を養うことが出来るのです。
それは経験を積めば積む程、上手になります。
体の状態は変わらなくても、移動しやすい足の位置や角度を知っていくのです。

一つ一つの動作を分けて練習する

トイレが上手になったら、次はお風呂にチャレンジです。
今は設備の整ったスーパー銭湯がたくさんあります。
お風呂は着替え、体を洗う、浴槽に浸かるなど様々な動作が必要です。
それを旅行で疲れた体で行うのは危険な場合もあると思います。
お風呂の練習をするために外出する、
それが出来なければ、旅行でお風呂に入るのは避けた方がいいとさえ思いますよ。

トイレやお風呂、さらには外食や買い物など、
いろいろな動作を日帰り旅行を繰り返す事で習得してみましょう。
つまり、宿泊旅行の一つ一つの行動を取り出して練習するのです。
そうやって段階を踏んで技術を高めれば、
きっとみんなが楽しめ、有意義な旅行を作り上げることが出来ると思います。

「練習なんて大変だから」と考える気持ちもわかりますが、
いきなり旅行に行って、「こんなはずじゃなかった」となってほしくないんです。
疲労感だけが残る旅行では、もう旅に出たいという気持ちになりませんから。

健康保険証とお薬手帳を持っていく、
再梗塞を防ぐために水分を十分摂取する、
など基本的な事を十分確認した上で、一つ一つの技術を楽しみながら
習得して頂けたらと思います。

その結果、
ただ旅を楽しむというだけではなく、
生き方そのものが変わってくる程の変化を
生むことが出来ると思います。

病院とディサービスの
往復だけではない人生を、
一人でも多くの人が
感じて頂ければと思います。
練習は必ず実を結びます。
まず、一歩外に出てみませんか。

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