花手水(はなちょうず)…神社や寺の手水に草花を浮かべる行事
花手水は、2017年京都長岡京市のにある楊谷寺で手水舎に花を浮かべたのが始まりとされています。その華やかで美しい様が多くの神社仏閣に広がりました。
十勝を、いや北海道を代表する花手水といえば帯広神社です。ここでは2025年の公開予定とその美しさをご紹介したいと思います。
車通りの多い国道沿いなのに空気が違う
帯広神社は、北海道の国土を見守る神様(大國魂神)や縁結びにご利益のある神様(大那牟遅神)、また医薬や酒造の神様(少彦名神)が祀られています。目の前の国道38号線は帯広市を横断する大きな国道で交通量も多いのですが、一歩境内に入るとその空気の違いを感じます。神社という雰囲気もさることながら、多くの木々が音を遮断し、喧騒から一線を画しているのだと思います。
その木々とはハルニレ、クルミ、サクラ、カツラなど巨木で、北海道の環境緑地保護地区として指定されるほどに。それらの木々を頼りにシマエナガやムクドリ、エゾリス等の野鳥や小動物の住処にもなっているんです。
「雪の妖精」としてすっかり知られたシマエナガは、北海道にしか生息していません。愛らしいもふもふした毛並みは、帯広神社で絵馬となって多くの方に親しまれています。このシマエナガの眼はシールになっており、表情を自分で変えられるんですよ。ペンで描いたらウインクだってできるんです。絵馬で言うと、縁結びの神様が祀られているだけあって、こんな趣のある絵馬も。奥にはつがいのウサギが愛らしく。
花手水の美しさ
そんな帯広神社は北海道で初めて花手水を手掛けました。多くの方にこの帯広神社を知ってもらいたいと考えたことがきっかけだそう。
手を清める手水をお花で飾り参拝客をお出迎えします。色とりどりの花が浮かべられ、まさにフォトジェニックと呼ぶににふさわしい絵面が広がります。境内には全部で4つ。どれも非常にセンスが良く、ついつい写真を撮りたくなるものばかり。
隠れ花手水は和傘と一緒に。境内をゆったりと散策しながら、所々に飾られた花々を見ていると、心まで洗われてくるのがわかります。
こちらは緑の池。浮草が池面を覆い緑の絨毯となります、2024年GW中のこの時は1/4程度でした。きっと、夏頃にはびっしり生えてくるのでしょうね。
また、ビー玉で覆い尽くした花手水もあるんですよ。本当に涼しげ。夏にぴったりのレイアウトです。行事と言われるように、帯広神社でも期間を決めて展示しております。2025年のスケジュールは以下の通り。ただ、それ以外の期間でも飾られた花手水を楽しむことができますよ。
■花見始の花手水 ~HATSUNE~
《第三十六帖》 5月 1日(木)~ 5月 6日(祝)■夏詣の花手水 ~TOKONATSU~
《第三十七帖》 6月28日(土)~ 7月 1日(火)
《第三十八帖》 7月12日(土)~ 7月15日(火)
《第三十九帖》 8月 1日(金)~ 8月 3日(日)
《第四十帖》 8月12日(火)~ 8月15日(金)■例祭の花手水 ~MIYUKI~
《第四十一帖》 9月23日(祝)~9月25日(木)
こちらは以前の花手水。
お近くをお通りの際には、ぜひお立ち寄りください。凛とした空気が心を浄化してくれるような、そんな雰囲気にさせてくれます。