ある日曜日、この日は男性のお客さま一人。いつものようにお出迎えをし、朝ご飯をお出しし、旅の思い出や身の上話を小一時間。その方からのお言葉です。
長い旅行に出かけると途中「旅」そのものに疲れることがあります。
今回3週間の北海道旅行の正にそんな時、ここに泊めてもらいました。
不思議に疲れた心身をリトリートできた気がします。
でも何故だろう。
部屋にテレビがないから、あるいはかわいらしいロバがいるから、ひょっとしたら空気がいいから…。
チェックアウトまでその理由はわかりません。
タンパク質たっぷりの朝食も、貴妃花さんのインテリアも、ご夫婦の程よいお気遣いもすばらしく気持ちのよい時間を色どっていると思います。
結局答えが出ないままチェックアウトします。
また来ると思います。ただ「目的地」ではなく「休息」として。
なんだかとてもおしゃれな文章で、そんな風に感じていただけたことに感謝です。当宿は、普段の慌ただしい生活から少し離れて、ゆったりのんびりできるひとときをお手伝いできたらと思っています。貴妃花さんがお気に入りというのも、「気持ちの良い時間」に一役買っていたのでしょう。
ただ一つ、疑問が。「リトリート」ってなんですか?
お恥ずかしながらこの言葉を初めて知りました。調べてみると「Retreat(リトリート)」とは「隠れ家」「静養所」「黙想」という意味を持つそうで、「日常生活から離れてリフレッシュし、心身ともにリセットする」という意味合いの「Retreatment(リトリートメント)」が語源とされているとか。
温泉に浸かるのもよし、森林浴をするのもよし、瞑想するのもまたよし。気持ちを落ち着けて、気持ちを切り替えるその過程こそがリトリートというわけです。
なんだか当宿にしっくり来る言葉を知りました。アクティブに過ごす旅も刺激的でとても楽しいものですが、ここでは少し落ち着いてゆったりと過ごしていただけるようにと色々と整えています。リトリートにつながった理由は、貴妃花さんのインテリアかもしれませんし、おいしい空気かもしれません。たまたま他にお客様がいなかったからなのかもしれません。
でも、答えは出さなくてもいいと思います。疲れた心身をしっかりと「リトリート」できたのであれば、それだけでとても嬉しいのです。
現代社会を生きる上で大切な、ストレスの対処法。有効な手段として「3つのR」が挙げられるそうです。1つは肉体の疲労を休息させる「Rest(レスト)」、2つ目は気分転換の「Recreation(レクレーション)」、そして緊張をほぐす「Relaxation(リラクゼーション)」の3つです。近年これに「Retreat(リトリート)」を加えて「4つのR」として知られるようになってきました。
日々の喧騒を忘れ、心身ともにリフレッシュする…そんなリトリートを多くの方が感じていただけたら、こんなに嬉しいことはありません。
素晴らしいお言葉をありがとうございました。