十勝で観光するならば

黒曜石の深い輝き引き出した作品たち「ギャラリーショップ十勝石」

皆さん、十勝石ってご存知ですか?
「十勝でとれるから十勝石?」と思われた方、正解です。
正確には十勝でもとれる石という事になります。

十勝石って何?

正式名称は「黒曜石」。
世界各地で採れますが、十勝でとれたものについてはその質の高さから、
「十勝石」と名付けられているそうです。

私を含め、石に関してあまり知識の無い方にとっては、さほど気にならない物かもしれません。
しかし人類の進化において、黒曜石は大きな役割を持った石なんです。
それは「ナイフ」。
後期旧石器時代と言いますから35,000年も前から、刃物に加工され使われていたのです。

黒曜石の成分の多くはガラスです。
うまく加工する事により、鋭利な刃物を作り上げることが出来るんですね。
そうやって「矢じり」として、利用され続けました。
こちらには十勝石原石から矢じりを作る方法が書いてあります。
昔の人はこうやって、道具を作っていったんですね。

また、黒曜石を焼くと中の水分が蒸発して気泡が出来ます。
出来た物は軽石です。
つまり、火山が噴火した際、溶岩が急激に冷やされてガラス質になった物が黒曜石で、
中の水分が蒸発して発泡したのが軽石になるとの事。
黒曜石は黒く、軽石は白く、見た目はずいぶん違いますが、成分はかなり似た物だそうですよ。

十勝石が有名になったのは、矢じりに加工されただけではありません。
それは「美しさ」。
表面は荒くごつごつしていますが、磨けば黒く光ります。
ごくまれに、光を当てれば金、銀、青、緑、紫など様々な色が含まれている事があり、
玲瓏(れいろう)と呼ばれ珍重されているそうです。

その美しさを作品にしたのが工房が十勝にあります。

十勝石が大変身、ギャラリーショップ十勝石

このギャラリーは
「ふるさと納税」や「気球の町」で知られる
上士幌町にあります。
黒曜石の美しさに魅せられて作品を作り、
ついには販売するようになったんですね。
看板に表されているのは
黒曜石の原点「矢じり」です。

先ほど書いたように磨けばとても美しく光ります。
その十勝石の輝きを存分に引き出し、いろいろな作品に仕上げています。
時にはエゾシカの角と組み合わせた作品なども。
ギャラリーですので、いろいろな作品を眺めることが出来ますよ。

こちらは宇宙をモチーフにした作品類。
「手のひらにのる宇宙」と称して、
銀河や星座を描いています。
球状の地球や月をそのまま彫刻したもの、
もちろん旧石器時代の「矢じり」も。

こちらは、フクロウ。
北海道が蝦夷と呼ばれていた頃から、
フクロウは最高の神として
崇められていたそうです。

愛らしいモモンガもいます。
ちょうど手のひらに乗る大きさで、
何だかその重みがとてもしっくりくるんです。

和みの風には「元気くん」がいます。
左奥にある石が十勝石原石。
この石を加工すると、
このようなすばらしい作品になるんですね。
石なのに、何だかとても温かさを感じます。

石笛の美しさ

お店の中で気になる作品が一つ。
石笛(いわぶえと読みます)だそうです。
縄文時代に盛んに使われていたそうで、
神々を祭るための笛と。
高く、鋭い音がしますが、
どこか神秘的なその音色は、
人の心も休ませてくれる感じがします。

こんな音がするそうですよ。

黒曜石の石言葉は「不思議」、「集中力」、「潜在能力の開花」。
パワーストーンとしての価値も高いそうです。
ナイタイ高原に行かれた時など、ちょっと足を伸ばしてみて下さい。
石の力で、気持ちが穏やかになるかと思います。

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