医療と福祉

4回の若年性脳梗塞から立ち上がるきっかけ

その方は46歳の時、脳梗塞を患いました。
その後3度の再発を繰り返し、
生きる気力を失っていました。
まだ若いので同じ病の人も多くありません。
仕事も出来る状態ではありません。
心が完全にふさぎ込み、
まさに引きこもり状態です。
そんな日々が4年近くありました。

そんな時、一つの出会いが人生を変えました。
通っていた病院の作業療法士です。

同じ悩みを持つ人が気楽に話し合える場があればいいかもしれない。

その方と話しを続けるうちに「若年性脳梗塞の会」が立ち上がりました。
名前は「ポラリス」。
ポラリスとは北極星の事。
「若年性脳梗塞で苦しんでいる方達の生きる希望の光になれたらいい。」
そんな思いが積み重なって、いつしか自分の生きる希望に繋がっていました。

活動を初めて約1年。
気軽に自分の病気を話し合える場を設け、活動範囲を広げていきました。
ある方は、うまく話せなかったのが聞き取りやすい話し声に、
ある方は、完全に麻痺していたはずの左手指が少しずつ動くように、
ポラリスが主催するワークショップに参加する事で明らかに変化していきました。
それは、ワークショップに参加したからだけではありません。
同じ病を持ち、つらさを分かち合う事で前向きな気持ちになれたからに他なりません。

8月26日(土)13時から17時まで、定期的に行われるワークショップがあります。
場所は帯広市とかちプラザ。
興味のある方は是非のぞいてみて下さい。
そして今月、「NPOポラリス(仮)」として新しく生まれ変わるそうです。
若年性脳梗塞という枠ではなく、がんの方も難病の方でも
生きる希望を見つけられるような場所にしたいという願いが込められています。

4度の脳梗塞を乗り越えて、前向きになれたきっかけは何だったのかと訪ねました。

嚥下障害(飲み込みが難しくなる事)が出て、ものすごく苦しかった。
いつ死んでもいいと思っていたけど、
死ぬのがこんなに苦しいものなのかとわかったから。

お出ししたコーヒーを美味しそうに飲んでいかれました。
一度もむせる事はなく。
必要なイベントがあれば飛行機を使って移動もします。
そうです、
ポラリスを立ち上げて1年で300枚以上の名刺を集めた事が、最高のリハビリになったのです。

何かをきっかけに人は大きく変わる事があります。
そのお手伝いが出来たらこんなすばらしい事はありません。

それはこの方も、そして私も同じ想いです。

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