医療と福祉

初心を忘れない

先日コラムの「のんびり、ゆったり、和みの風」のまとめ
抜けていたもう一回。
今日は最終回のご紹介。

初心を忘れない
看護師としてしか働いた事のない私が、宿のオーナーになるなんて、自分自身が一番驚いています。しかし、どちらも対人間の仕事。宿泊して頂いた皆様に喜んで頂けるのは、看護師として必要な観察力のおかげなのかもしれません。
看護師である私が宿を始めたのは、「旅行が難しい方であっても、旅の幸せを感じてほしい」からです。どんなに忙しくなっても、この気持ちを忘れないようにしたいと思っています。
「旅行が難しい方」とは車椅子の方ばかりではありません。脳卒中で麻痺があり自宅にこもりがちな方や、食物アレルギーを持つ方、終末期の方にだって、是非是非来て頂きたいと思っています。ただ、こういった方達だけを積極的に受け入れる宿ではありません。障害のあるなしに関わらず、多くの方々が、普通に旅行を楽しみ、「幸せを感じてほしい」と思っているのです。人工呼吸器をつけた方の隣で、他のお客さんが普通に話をしている、こんな場面が当たり前に出来たら嬉しいですね。
まだまだ気軽に旅行に出られない方々が多いのも事実。ハード面も重要ですが、それ以上に心のバリアが低くなる社会になってほしいと強く思います。日本全体が、誰であっても不自由なく、どの宿にも泊まれる、それが当たり前となったとしたら、どれだけ、旅行に対する安心感が高まり、幸せを感じられるのか…。「和みの風もそのお手伝いができたら」、と思いながら毎日を過ごしています。
早いものでこのコラムを書かせて頂き、1年半が過ぎました。改めて思うのは、書く事は本当に大変であるということです。伝えたい事を分かりやすく書く事がこれほど難しいものかと痛感させられました。今まで読んで下さった皆様、そして、こういった機会を私に与えて下さり、つたない文章を校正して下さった担当者様、本当にありがとうございました。また違った形で皆様にお逢いできたら嬉しいです。

コラムの連載なんて自分がすると思いませんでした。
とても、いい経験をさせてもらったと思います。
書くのって楽しいのですが、やっぱり大変ですねぇ。

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