平日の夜7時-5℃近い気温の中、固い音が夜空に響きます。
「もっと腰を落として〜!」と指導者の声。
そう、小学生の子ども達がスピードスケートの練習をしているのです。
「少年団」って何の組織?
少年団という組織は十勝に引っ越して来て初めて知りました。
簡単に言うと、小学生がする部活のようなものです。
スケートだけではなく、野球やサッカー、剣道など様々なスポーツでみられます。
うちの息子が小学生の頃、
清水町の御影で活動している「御影清水スケート少年団」に加入していました。
そもそも、少年団とは子ども達の親が、精通していたスポーツを教えるという組織なので、
営利目的の習い事とは異なります。
率先して行う親御さんが減り、
小学校の先生がその役を担っている形になっている少年団も多いようです。
習い事とは異なるので、月謝がとても安いのがありがたいです。
しかし、先生方の負担が大きいのは問題ですし、いろいろな形で親達も協力する必要があります。
とは言え、小さいうちからスポーツを気軽に始められるというのはメリットの一つですね。
うちの子がまさかスケートを始め、しかも中学3年生まで続けるとは思ってもいませんでした。
スケートをさせる親達の思い
練習は夕方から夜に行われるので、気温もどんどん下がります。
あまりに寒すぎて泣き出してしまう子もいる程。
それでも、自分の子どもにスケートをさせようと思うのは、
自分がスケートの選手だったからというご両親が多いようです。
ここ十勝ではスケートは遊びではありません。
完全にスポーツです。
幼児の頃は遊び程度ですが、小学生になるとちゃんと体育の科目となります。
スケート靴を各自準備し、授業になると目の前のリンクで滑り始めます。
そして、練習続け記録を測定します。
スケートの選手として活躍していた親が、子にスケートをさせたいと思うのは自然な流れでしょう。
そういう子どもの受け皿として、スケート少年団があります。
十勝にはスケート少年団が40団体以上もあり、それぞれ活動しています。
やはりカラーがあり、休みは週に1度だけという熱心な少年団もあれば、
スケートに慣れ親しむと言った活動も所も。
大会で上位に上がってくるのは、やはり練習量がものをいうようですね。
大会前には親達の指導にも熱が入ります。
十勝はスケートに適した地
前回こちらでお話ししたように、十勝は学校のグラウンドにスケート場を作ります。
学校に授業で行われ、
スケート少年団があるくらいですから、
競技人口が他の地域とは
格段に違います。
上を目指せば目指す程、
子どもも親も負担が大きくなるので、
中学生、高校生に上がる程、
精鋭達が残っていきます。
小学生に入る前からスケートに慣れ親しみ、
練習を積んでいるからこそ、
オリンピックを目指せる強い選手が生まれるんですね。
実際、息子が続けているスケート仲間にはオリンピックを本気で目指している人がいます。
そして、実際それだけの記録を出している人がいます。
スピードスケートで話題になっている高木美帆選手もここ十勝の出身。
「小学校の頃、大会が終わったすぐ後でもランニングしてて、他の子とは別格だった」と
その当時を知る人は話します。
こういった選手が続々と出てくると、十勝のスケートもより盛り上がりますね。
清水宏保選手や長島圭一郎選手に続く、
スケートのメダリストがここ十勝から生まれるかもしれません。