医療と福祉

気軽に旅に出よう

今回も「シルバー新報」の掲載分から。

気軽に旅に出よう
昨年9月のある日、一組のお客様がいらっしゃいました。お一人は四肢麻痺で車いすを使用している方。もうお一人は以前この方の訪問介護をされていたヘルパーさん。一昨年は2人で函館に旅行されました。そして、今回は「和みの風」に。
「和みの風」は館内に段差はありません。オストメイト用のトイレもあります。でも利便性だけでは施設と同じです。せっかく旅行に来たのですから、のんびりできる空間を作りたい。そんな想いから木を多く使った造りにしています。お二人も宿の雰囲気を気に入って頂き、のんびり過ごして頂けたようです。
浴槽内にリフトを設置し、入浴の介助も致しました。車いすを使うようになってから自宅以外のお風呂には入った事がなかったそうなので、大変喜んで頂けました。入浴介助は別料金となりますが、安心して入る事が出来たようです。
車いすの方は外出する事が大好きで、近所のスーパー等によく行かれているそうです。でも旅行はそう何度も行くことはできません。経済的にもそうですが、それ以上に交通機関の準備や観光地の受け入れ態勢など、情報収集すべき事が多いのです。同じ電車に乗るにも車いすを利用しているというだけで、手順がかなり増えてしまいます。そういった準備の煩わしさが、気軽に旅行を楽しめない原因の一つではないかと思います。
最近は障害を持つ方を対象にした旅行会社なども増えましたが、まだまだ浸透しているとはいえません。高齢者や片まひの方などもっともっと色々な方が気軽に旅行を楽しめるような社会になってほしいものです。
何をどうしたらいいのか分からず旅行をあきらめている方も多いと思います。「どうせ行けないんだ」と思わず、まず動く事。小さなお出かけでも、情報収集でもいいと思います。この方達のように、「旅行に行きたい」という気持ちがしっかりあれば、協力者を集めることが出来るのではないでしょうか。もちろん私もその1人です。きっと幸せな旅行を楽しめると思います。

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次の旅はどこでしょうか
車椅子の方って増えては来ていますが、
片まひ(半身不随)の方の方が断然多いのです。
そんな方にもぜひ来て頂きたいです。
看護師から見たら、
「問題なく動けて、ちょっとした旅行ぐらいできるのに」
という方であっても、
「何かあったら心配」
「旅行なんて無理」
と、決めつけている方が何と多いことか。
少しでもお出かけが出来て、
行動範囲が広がったらいいなぁと思います。
「和みの風」がそのきっかけとなることが出来たなら、
これほどすばらしいことはないと私は思っています。

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