今日の十勝、今の清水

日勝峠が開通しなかったら、もっと大変な事になっていたのかも

昨年、立て続けに来た台風によって甚大な被害が出た清水町。
ペケレベツ川の氾濫と共に、多くの人を驚かせたのが日勝峠の崩壊でした。
そのあまりの被害に全貌がつかめず、完全復旧がいつになるのかもわからない状況でした。

しかし、多くの方の努力により10月28日(土)に通行止めが解除されました。
改めて写真を見ると、その被害の大きさと復旧へのスピードに驚かされます。


右下側の写真「38番」「42番」などは、土台すら完全になくなっています。
これら1カ所を直すだけでも、数年かかってもおかしくはないのではないでしょうか。
復旧に関わられた方は4万人近くに上るそうです。
本当に頭が下がる思いですね。

通行止め解除で何が変わる?

通行止め解除により、道東道の迂回路無料措置が終了します。
これは、国道274号線が通行止めに伴い、迂回路として道東道を利用することになったため、
1年ちょっとの間無料となっていた措置が終了するという事ですね。
この措置により、一番にぎわったのが「道の駅自然体感しむかっぷ」だと思います。

占冠I.C.〜十勝清水I.C.が無料となる措置ですが、迂回路という設定のため、
道東道を乗り続けていたら無料にはなりません。
同区間だけ道東道を利用したら無料になるんです。
つまり、この区間が無料になるためには、
占冠I.C.と十勝清水I.C.でそれぞれ降りなくてはならないのです。

措置開始時はこの仕組みが浸透しておらずクレームもあったようですが、
周知されるとそれぞれのI.C.のそばでUターンする車が増え事故も起きるように。
Uターン禁止する看板が多く見られ、「道の駅自然体感しむかっぷ」がにぎわうようになりました。
今回通行止め解除となり、本来の姿に戻ると思います。
同じ道の駅でも「道の駅樹海ロード日高」の影響はもっと大きいです。
日勝峠が利用出来なくなったため、お客様が激減。
売上は40%程度まで落ちてしまったとの事。
紅葉シーズンは過ぎてしまいましたが、これから客足の伸びを期待しているでしょう。

札幌から十勝や釧路に行く際、
道東道と国道274号線、この2つの道を選べるようになりました。
こうやって選べるという事はとても大切だったんですね。
こういう事態になって初めて実感しました。

道東道の意味を改めて知る

道東道が開通したのは平成7年。
その時はほとんど車が通らず、批判されてばかりでした。
最初に開通したのは十勝清水I.C.〜池田I.C.。
国道が平行して走っており大して時間も変わりないので、
料金がかかる高速道路は利用されなくて当然です。

時間の経過と共に徐々に延伸。
平成23年に全線開通しました。
和みの風から新千歳空港まで2時間弱、札幌までなら2時間半で到着します。
初めて走ったときの感動は忘れられませんね。
カーブのため減速加速を繰り返す国道とは大違いでした。
時間が早くなるのはもちろんの事、燃費がよくなりました。
そして何より疲れが違います。
札幌日帰りもそれほど苦ではなくなりました。

今回、こういう事態になり、道東道のありがたみを本当に感じました。
もし、道東道がなかったら、札幌まで行くために狩勝峠を通らなくてはなりません。
大幅に時間がかさんだ事でしょう。
札幌に行くなんて、考えただけでも躊躇してしまいます。
お客様にも大変なご迷惑となった事でしょう。

物流にも大きな影響を与えます。
札幌から陸路で運ばれてくるものも多く、その多くが影響を受けるに違いありません。

もし日勝峠が復旧不可能となってたら…

多くの方の努力によって、1年ちょっとで通行止め解除の日を迎えることが出来ました。
もし、これが復旧不可能と判断されたらどうなっていたでしょう。

事故や動物の侵入などで道東道が通行止めになったら、すぐに狩勝峠を通らなくてはなりません。
一般道で事故が起きたら片側交互通行となり通行止めとはなりませんが、
高速道路はそうはいきません。
その度に、大幅に移動時間が変更になります。

何だか、考えるだけで恐ろしくなりますね。
平成23年までは日勝峠しか道がなかったのに、そんな心配を考える事なんてありませんでした。
それほど、日勝峠の崩壊は誰も想像していなかったのだと思います。

今回台風の影響でこのような事態になりましたが、
温暖化の影響でこれから同レベルの台風が来る可能性も十分あります。
しかし、関係者によると同レベルでは崩壊しない対策をとっているとの事です。
どこまで耐えられるのかは未知数ですが、これからは様々な対策がとられる事と思います。

道東道と国道274号線、たった2本の道ですが、
道東全体にとって欠かせないものであるとつくづく実感しました。
このようなひどい災害が再び起こらない事を祈るばかりです。

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