介護が必要なご両親と一緒に旅行をするためのヒント集、今回は計画編です。盛り込みすぎてかなりの長文となっております。お時間のあるときにでも少しずつ。
心構えについてはこちらをご覧ください。
- あくまで旅行を楽しむためのヒントです。こうすればうまく行くといったマニュアルではありません。
- 介護者の体調や気持ちの状態によって、必ずしも文章と同様の反応が得られる訳ではありません。その方にあわせた対応をお願いします。
- 旅行について個別的なアドバイスを希望される場合は、こちらをご覧ください。
最初にするのはまず相談
旅行したいと思ってご本人も受け入れたら、まず何から始めるべきでしょうか。私が一番お勧めしたいのは、人に相談することです。
まず最初にかかりつけのお医者さんに、許可をもらいましょう。特別な状態でない限り、問題なく許可されると思います。その時に是非聞いてほしいのが、「どういった事に気をつけた方がいいですか?」という質問。
「スケジュールは無理なく」「水分は十分とるように」と、ごく一般的な返事かもしれません。でも、「足がむくみやすいので長い間座らないように」、「万一、息苦しさが出たら連絡して下さい」など、その方にあわせた具体的なアドバイスを聞くチャンスです。
もし、訪問看護を利用されているのでしたら、同様の質問をするのがいいでしょう。その方の生活習慣を理解していると思うので、より適切な回答をもらえると思います。ケアマネージャーさんだって、訪問介護の方だって、経験値は高いでしょうから是非話してみて下さい。ディサービスに行っているならそのスタッフもいいですね。ご本人があまり乗り気じゃなくても、上手に促してくれるかもしれませんよ。
旅行はプライベートな事なので、相談なんてしていいのかと考えるかもしれません。確かにプライベートな事ですが、旅行だってその方の生活の一部です。いろいろ相談していいんですよ。あまり人に知られずに、こっそり行きたいという気持ちもあるかもしれませんが、それはもったいないです。旅行に行くという目標をケアスタッフが共有する事により、リハビリがレベルアップでするきっかけになる場合もあるのです。旅行前の情報交換が、より旅行を充実させる事にも繋がります。
まず誰かに相談する事。自宅から離れるため、介護サービスの日程変更の場合もあります。ケアマネさんには伝えた方がいいと思います。
出発はいつ?何泊くらい?
いよいよ計画を立てていきます。目的もしたい事も決まっているでしょうから、より具体的に考えていきましょう。
旅行はいつを考えていますか?まず、冬の寒い時期は体調を崩しやすく観光には適さないので、
初めての旅行では避けた方がいいでしょう。真夏の暑い日も体力を消耗します。とはいえ、北海道や東北以外は暑い日が長期間に渡るので、避けられないというのも事実。せめて大勢が旅行するお盆周辺は避けましょう。同様に連休やゴールデンウィークも避けた方がいいですね。
忙しい時期は宿や観光地のスタッフも余裕を持った対応が難しくなりますので、出来れば平日がお勧めです。休暇を取るのが難しい方も多いとは思いますが、うまく時期を合わせたいところですね。
「1泊だとせわしないから2泊かな…」と、考える方も多いと思います。状態によるので一概には言えませんが、いきなりの2泊はかなり体力を消耗します。出来れば、1度近場で1泊旅行を経験してからの方がいいように思います。せめて、日帰り旅行は経験しておいた方がいいでしょうね。始めから3泊以上を考える方はあまりいないと思いますが、やはり経験を積んで慣れてからの方がいいでしょう。
以前、北海道旅行で9泊された車椅子ユーザーのご夫婦がいました。いろいろと出かけているようで、旅慣れていましたよ。ここまで旅行を楽しめるようになると、生活そのものが変わってくると思います。
余裕を持つとはどういうこと?
高齢者の旅行について調べると、「スケジュールには余裕を持って」と必ず書いてあります。まさにその通りです。旅行にはトラブルがつきものですし、移動にだって時間がかかるもの。
1日の中で一番行きたい場所を決め、短時間で寄れる所を数カ所をピックアップしておくといいいでしょう。その全てを回るのではなく、気分や疲れに応じて臨機応変に変更したらいいのです。雨が降ったり日差しが強くなるなど、天候はどうなるかわかりませんので。計画自体を、天候に応じてアレンジが出来るようにもしておくのもいいですね。
例えば、和みの風から車で30分で行ける「十勝千年の森」。広くて気持ちのいい所なのですが、日陰があまりありません。直射日光がきつかったり、雨が降ったりした時には「中札内美術村」をお勧めしています。こちらは、木漏れ日が美しい場所。雨が降っても、落ち着いた雰囲気で気持ちがいいです。「真鍋庭園」も木々が生い茂っているので日陰が多いですね。いずれも素晴らしい景色が広がりますよ。
旅行プランもだいたい出来上がり、後は当日を待つだけとなったら、ケアマネージャーや訪問看護師などにプランを確認してもらいましょう。体力的に問題はないか、注意すべき点はないかなど、親身に聞いてくれると思いますよ。地元の情報が不足していると思えば、直接宿に聞いてみるのもいいですね。北海道や十勝の事でしたら、ご相談に乗りますよ。是非、ご本人も巻き込んでいろいろ検討して下さい。
体力を知るってどうしたら?
旅行の計画を進めるにあたり平行して行いたいのが、その旅行を楽しめるだけの体力をつける事。余裕のあるスケジュールを組んでも、途中で動けなくなっては旅行どころではありません。
まずは、どのくらいの体力があるのかを知る事が必要です。例えば、ディサービス行っている方でしたら、どのように過ごしているでしょうか。入浴をすませ、体操やレクリエーションなど参加することが出来るでしょうか。もしディサービスに行ってもベッドで横になってばかりとなると、旅行は難しいかもしれません。
また、病院に受診した後の状態はどうでしょう。午後からはどこにも動けないほど疲れてはいませんか。もし受診後、昼食をお店で食べるとしたら美味しく食べられるでしょうか。そのまま、ちょっとだけお買い物を楽しむ事は出来るでしょうか。家にいてもソファーで横になってばかり…となると、いきなりの旅行は体力が心配ですね。
旅行というモチベーションをリハビリに活かす
旅行に行く事が決まり、本人もその気になれば、是非いろいろな所に出かけて下さい。旅行に行くためには、いろいろと準備が必要です。せっかくの機会なので新しい洋服を買ったり、美容院に行くなど、外出する機会を増やせるんです。旅行の準備を一緒にしながら、知らず知らずのうちに外に出ることに慣れてもらうのです。どのくらい動いたら、どのくらい疲れるといった変化を、この時に感じられるといいですね。
旅のスケジュールが大まかに決まったら、同じように動いてみるのも手。1時間半観光スポットを巡るなら、1時間半買い物につきあってもらいましょう。疲労困憊というのなら、もう少し時間を減らし、まめに休憩した方がいいのかもしれません。
訪問リハやディケアなどリハビリを受けている方は、旅行に向けたリハビリプログラムを検討してもらうのもいいでしょう。長距離を歩く訓練やちょっとした段差を乗り越える訓練など、リハビリ専門職の方に相談してみるのもいいと思います。
ただリハビリを続けるより、「旅行を楽しむ」という目標があった方が確実にやる気が出ます。ここで30分ほど歩く、というスケジュールがあったら歩行訓練も俄然やる気が出るとは思いませんか?
電車、飛行機、船、車?
旅行は移動時間も楽しいですよね。移り変わる景色を見ているだけでも、非日常を感じます。
電車、飛行機、船、車と何となくゴロがいいので挙げてみましたが、最初の3つについて、私は皆さんにお伝えするほど、詳しくはありません。詳しくない事を知っているフリをするのもよくないので、こちらのサイトをお勧めします。
それにしても、どれも利用しやすくなりましたね。船なんて以前は段差だらけで車椅子どころではなかったのですが、すっかりバリアフリー化されています。ただ、船の場合は台風などで欠航になりやすく、代替の予約が大変である点に注意が必要ですね。また、いくらベッドに横になれると言ってもかなりの時間がかかるので、最初の旅行では避けた方が無難でしょう。
さて車について。
電車で旅をするのも旅情あふれていいのですが、足の不自由な方が、最初の旅行でいろいろ乗り継ぐにはかなり厳しいと思います。やはり、移動便利な車がお勧めでしょう。自家用車でもレンタカーでも目的地まで、自由に休憩を挟みながら移動するのは他の方法では難しいですから。
例えば、レンタカーの場合。車椅子が利用しやすい車両(福祉車両)は徐々に増えてきています。でも一般車両と比べると少ないもの。日程が決まったら早めのご予約をお勧めします。福祉車両レンタカーの日程にあわせて、旅行日を決める方もいるくらいです。
一つ注意したいのが、出発の手続き時間。車椅子の固定の仕方などを教えてもらうのに時間がかかります。車椅子の固定がちょっと甘いだけでブザーが鳴り、出発も出来ない場合があります。現地で十分練習してからの方がいいでしょう。スタッフがいるときの方が、色々聞けますからね。
車で言えば、観光タクシーという方法もありますね。運転手さんとのやり取りも楽しく、駐車場を気にする必要もありません。人数が多い方が割安になります。地域限定とはなりますが、最近は介護タクシーも増えているので、介護に慣れている方にお願い出来たらいいですね。
宿泊業におけるバリアフリーの意味
以前に比べて、バリアフリーの宿は格段に増えました。これからはバリアフリーと言えど、質が問われる時代なのだと思います。その宿を選ぶ時に注意したい事を。
よく「当ホテルはバリアフリーです」や「バリアフリールーム完備」という表現を目にします。文字通りに考えるとバリアがない状態の事ですね。ただ、そのバリアと言うのは人によって大きく異なります。狭い廊下は車椅子が通りづらい、手すりがないと歩くのが大変、オストメイト(人工肛門)の方は普通のトイレが使いにくい…。などなど、使いづらさを解消出来るように考えられたのが「バリアフリー」なんですね。
車椅子の方は大きなトイレが必要です。しかし、視覚障害者の方は大きすぎるトイレは使いにくいのです。どこに何があるのかを把握するのが大変なので、出来るだけコンパクトな方が使いやすいのです。つまり1つのトイレで、バリアを完全に取り除く事は不可能なのですね。
では、何をもってバリアフリーとしているのでしょう。一般的に、宿泊業においてバリアフリーというと、段差がなく、車椅子ユーザーや歩行が大変な方が使いやすい「設備」と考えていいと思います。本来は「設備」といったハード面だけでなく、ソフト面つまり「サービス」も含まれていなくてはなりません。この対象の曖昧さと「設備」重視という点が、誤解の元になる場合がある様に思います。
一方「完全バリアフリー」という言葉を目にする機会もあります。「完全に取り除くのは不可能」と書きましたが、この場合は段差の事のみに注目した表現です。もともと「バリアフリー」という言葉は建築用語から発生したようで、段差がない状態の事。つまり、「完全バリアフリー」という言葉自体は間違ってはいないんだと思います。ただこの表現の場合、ソフト(サービス)面はおろか、手すりなどの設備についても言及していないと考えていいと思います。「完全なサービス」、「完全な手すり」なんておかしな表現ですから。
バリアフリーの受け取り方がそれぞれ違う
「当ホテルはバリアフリー対応です」なんて書かれていると、足腰が不自由でも使いやすいのかと思いますが、そうでもない事があるのです。まず、2006年以降に造られた客室が50室以上あるホテルは、車椅子対応の部屋を設置しなければならないという義務があります。つまり、仕方なく作っている宿もあるという事です。そんな宿にサービスを期待するのは、無理があるのはわかりますよね。バリアフリーと唱っていても、結局サービスの質は別なところにあるのです。そんな宿に泊まったとして、果たして満足な旅になるでしょうか。本当に車椅子ユーザーや高齢者を歓迎しているのか…。残念ながらバリアフリーという言葉だけではわからないのです。
では逆に、本当にバリアフリーでなくてはならないのでしょうか。例えば、短い距離ならば歩けるのではないですか?介助する方がいれば、多少の段差は問題ないのでは?トイレの前に段差があれば困りますが、玄関に段差がちょっとある程度なら、全く問題ない方も多いはず。車椅子の方だって、車椅子ごと持ち上げるだけで簡単に乗り越えられる段差もあるでしょう。
確かに、広いトイレや廊下は使いやすいかもしれません。手すりがいろいろあった方が便利でしょう。でも、それがないと宿泊が出来ない程の状態ですか?「バリアフリー」でなければならないという先入観を、ちょっと横に置いて宿を見てはいかがでしょうか。
実は、バリアフリーではなくても満足な宿というのはたくさんあるのです。本当は歓迎したいのだけど、段差があるから「バリアフリー」とは言えない、と考えている宿も実はあるのです。バリアフリーという言葉に振り回されず、行きたい宿を探す方が満足な旅になるのではないでしょうか。
宿に確認すべき事
宿泊する際に困る事がないよう、いろいろと確認が必要です。どのような状態なのか伝え、宿泊が可能か聞いてみましょう。電話で確認する場合は、チェックアウト業務で忙しい10時前後は避けるべきです。チェックイン時間を過ぎると慌ただしくもなるので、11〜16時前後をお勧めします。
例えば、
「普段は車椅子使用、2〜3歩は歩けるのでいすへの移動は可能」
「杖で10mほど歩くことが出来、階段も2〜3段は登れるが、長距離になると疲れやすい」
など具体的に説明すると宿の方も、イメージがつきやすいです。「当宿は完全なバリアフリーではありませんが、本館から新館へのの3つの段差についてはスタッフがお手伝いいたします」など返してくれるかもしれません。
実はここで大切なのが、スタッフの対応。しっかりこちらの要望を聞き、出来る事を具体的に説明してくれるかを確認します。いかにも迷惑そうな返答をされたら、早めに切り次の宿を探しましょう。いい宿はスタッフの対応も、気持ちがよいものです。バリアフリーでなくても、いい宿はたくさんあります。逆にバリアフリーを唱っていても、高齢者に優しくない宿は残念ながらあるのです。
「和みの風」常連の車椅子ユーザーの方が話していました。
「障害があっても満足する宿は、一般の方が行っても人気がある。」ホスピタリティーの高い宿は、障害の有無はあまり関係なくいい宿なんですね。この方、毎年のように来ていただき、このようなありがたいお言葉も。
メールでも電話でも、こういったやり取りを行うと、その宿がどういうスタンスなのかすぐにわかります。是非、宿選びの参考にして下さい。
宿に行ってほしい事があれば、できるだけ具体的に伝えましょう。「噛むのが疲れやすいので、料理を粗く刻むことは出来ますか?」「胃ろうを作っているのですが、ベッドに栄養剤を引っ掛ける場所はありますか?」
「行って何とかなるだろう」と考えるのは前向きでいいのですが、なんとかならない可能性も。気持ちよく過ごすためには、宿での状況をイメージして事前の確認が大切かと思います。この時、担当者の名前をしっかり確認しましょう。高級ホテルは別ですが、大規模なホテルであればある程スタッフが多く、情報が正確に伝わりにくいです。担当者の名前を聞き、責任の所在を明確にする事が、伝達ミスの予防に繋がります。
お風呂のリスクはやっぱり高い
旅行について考えたときに、「温泉行ってのんびりしたいな〜」って思ったりしません?「旅行=温泉」といった方程式が、日本人にとって常識なのかもしれません。
確かに温泉は気持ちがいいですよね。自宅とは違う広いお風呂で、足を伸ばしてゆったり入る。「あ〜っ」と幸せのため息をつくのは間違いありません。そんな皆さんに愛されているお風呂ですが、やはり危険性は高いです。特に高齢者にとって、入浴中の事故が非常に多いのは皆さんもご存知と思います。
- 滑りやすい床や必要な場所に手すりがないことによる転倒
- 脱衣所、浴室、浴槽内の温度変化によるヒートショック
- 長時間や肩まで浸かる事による心臓への負担
- 体内中の水分不足による脱水症状
皆さんも浴槽から立ち上がった時、ふらつきを経験された事があるのではないでしょうか。実際に転倒するまではいかないまでも、高齢者であればリスクが高い事は容易に想像できますね。
ぬれていると滑りやすく、お風呂場に手すりがない所もまだまだたくさんあります。
また、皆さんはお風呂に疲れを取りに行きますが、入浴しただけで疲れてしまう人もたくさんいます。それだけ体力を使うんですね。旅行で体力を消耗している状態でさらに入浴をする事は、かなり体に負担をかけているという事実をまず理解して頂きたいと思います。
「でもやっぱり旅行はお風呂でしょ」という方は、入浴がどのくらい体力を消耗するか確認するために、銭湯に行ってみましょう。最近は規模の大きなスーパー銭湯など、バリアフリー化された所も多いです。ぜひ、体験してみて下さい。ディサービスではあまり参考になりませんよ。介護のプロがお手伝いしていますし、浴室も設備が整っていますので。
入浴後まだ動けそうですか?外出した後、夜に入浴出来るほど体力が持ちそうですか?実際に入ってみると、いろいろわかってくる事があると思います。
これだけ身体に負担がかかるので、初めての旅行は入浴しないという手もあるんですよ。着替えるだけでも違いますし、簡単に「清拭」をするのもいいでしょう。清拭とは温かいタオルで体を拭く事です。これだけでもかなりさっぱりします。喫茶店のおしぼりで顔や首を拭く方は、その気持ち良さがわかってもらえるでしょう。私はしませんよ。
やり方は簡単です。熱いお湯で濡らし、絞ったタオルを2〜3本ビニール袋に入れます。もし電子レンジがあれば、より便利ですね。上半身と下半身に分けて、それぞれ拭くだけです。専用の清拭剤もありますが、1回のために買う必要もないでしょう。詳しくは下記のリンクを参考に。
まず、入浴をやめるという選択肢が、旅行のハードルをかなり下げてくれるのは間違いないと思います。
3世代旅行で気をつけたいこと
年配の方にとって、お孫さんの力はとても偉大です。見ているだけで目尻が下がるし、ついついお小遣いも弾んでしまいます。一緒に旅行出来るなんて言ったら、とても喜んでくれると思います。それは、病気を乗り越えた場合でも同じです。
移動が大変になったとしても、かわいいお孫さんと一緒なら頑張ってみようと、いい方向に動く方もいるでしょう。ただ、ちょっとした注意が必要ですね。
高齢者の場合、旅行はその人の興味のあるものをお勧めしますと前回書きました。しかし、高齢者が好む所は、大体子供は好みません。小学生以上で聞き分けがよければ我慢出来ますが、幼い子供なら「つまんな〜い」となりがち。どちらも喜ぶようなスポットを見つけるのは、なかなか難しいでしょう。
そんなときは、個別行動にする時間を設けるのもお勧め。集合時間だけ決めて、別々に行動するのです。親・自分・子の3人だったら無理ですが、他に人がいるのであればバラバラに行動した方が、お互いの満足感も高まると思います。早めにホテルに入るのもおすすめ。もちろん夜はみんな一緒ですよね。今日あった事をお互い話し合うのも、幸せな時間になると思いますよ。
お部屋やお料理にちょっとした工夫
日中、思いっきり遊んだ後は一緒のお部屋でぐっすり眠る…。となればいいのですが、トイレのために何度も起きたり、何となく気を遣ってしまったりと、同室であればお互い十分に休めなくなることも考えられます。眠るときは別の部屋にするのも一つの手でしょう。コネクティングルームがあれば、それを利用するのもいいですね。
また、お食事は好みが別れるもの。高齢者だからと言って、必ずしもあっさりした和食を好むとも限りません。バイキングであれば、ご両親もお子さんも好きな物を楽しめるからいいかもしれません。多すぎる夕食に、見ただけで食欲が落ちてしまう事も防げます。
「和みの風」にも時折3世代旅行の方がいらっしゃいますが、ご両親のお手伝いにかかり切りで、お子さんが一人で遊んでいる事があります。当宿には「かまくら」があるので中で遊んでいますが、そのうち出来たものを見せたくなって「ママ〜!ママ〜!」と叫び始めます。館内中に響き渡り、これがちょっと困ってしまいます。
いろいろやりたい事があるのは重々承知していますが、お子さん担当の方を一人つけて頂きたいですね。その方が安心してお子さんも遊べますし、にぎやかになりにくいです。「この時間はお母さん担当するからあなたは子供をみて」というように、役割を決めるといいかと思います。お子さんが一人で過ごす事による事故も防げますね。
荷物の心配事
皆さんは旅行に行くときに、荷物は多い方ですか?何かあると心配だからと、どんどん増えてしまう方、どうしても必要なら、そこで買えばいいやと最小限な方、たかが旅行とは言え、その方の価値観が強く現れるのが荷物ですね。
旅行に持って行く荷物について調べるといろいろ出てきますが、こちらのチェックリストがわかりやすいです。もちろん、全部持って行く必要はないので状態にあわせて選んだらいいかと思いますよ。
私から一つだけ付け加えるとしたらお薬について。ご両親と一緒に旅行に出かける時、お薬はしっかり持って行くと思います。お薬手帳も一緒ですね。その時、1日分でいいので余分に持つのはいかがでしょうか。お薬を飲む時、床に落としてしまう事ってありませんか?自宅でしたら、気にせず飲んでしまうでしょうが、ホテルのレストランだとしたら…。船や飛行機を使う場合、欠航して1日延泊なんて事もないとは言えません。1日分なら、それほどかさばりませんよね。
あと、よく聞かれるのが荷物を送るという方法。長期の旅行の場合ですが、荷物が多ければ送ってしまうという手もあります。ほとんどの宿が受け入れてくれますし、「和みの風」でも問題ありません。ただ、事前に連絡しておいた方がいいでしょうね。
計画を立てるときに大切なこと
かなり長文となりましたが、それだけ準備が大切なのだと思います。「段取り8分」という言葉もありますね。旅行のスケジュールは分刻みで決めることではありません。いかに余裕を持って、具体的に計画をするかで満足度が変わってくるのだと思います。あまり無理せず、詰め込みすぎず。抱え込まないプラン作りが、旅行を楽しむコツかと思いますよ。